ふるさとの色」             タナカミノル

 

 「地球は青かった」ーー人類が地球を形容した最も美しい言葉だと思う。この2、3年のアンケートでは、青は世界中で一番好まれている色だそうで、昔なら国によって民族によって色の好みはバラバラだったけれど、インターネットの情報で嗜好が繋がってきているのか……。現在は経済通が分析するように、癒し系の青に落ち着いているのだったら淋しいね。 image

 さて、遠い宇宙から視点を変えて間近に地球を見たら、海は重く汚れて森は緑を失い、地球をマンガキャラクターに描けば、もう薬漬け瀕死の状態でベッドに倒れかけている。地球の顔は、そう、地球の顔色は蒼かったーーのです。同じ青でも健康な青から病気の蒼へと逆転、私は漫画家として絵の形や線も大事ですが、色のイメージにこだわっています。

 落書きイベントで子供たちと遊んでいて、「バナナを描きましょう好きな色で。赤やピンクや自由な色で塗ってみましょう」とテーマを与えたら。小学5年ぐらいの男の子がバナナを青く描き始めました。まだ熟していない青い色ではなくマリンブルー、鮮やかな碧でした。「これはね、南の島から青い海を渡ってきたからなんだよ」と答えてくれました。子どもの発想力って何てファンタスティック!

 子どもの頃、私は和歌山県の桃山町というところで生まれ育ちました、の名のように春の田畑は桃の花満開でさながら桃源郷になります。桃の祭り、桃の季節は夏の激烈な太陽。毎朝早起きして桃取り運びの出荷手伝いは厳しかったなあ……。秋、学校帰りに柿の木に登ってかじる甘柿は愉快な夕焼けの味。我家の柿の木は100年ほど前、曾祖父が子孫の為にと渋柿の木に甘柿の枝を接ぎ足して、おかげで今でも甘渋の実がなっています。後年これをヒントに一本のワインから赤白両方味わえるサプライズなワインのアイデアをゲットーー想い返せば色んなマンガのモトを地元からもらっています。郷愁。大人になって帰省するたびに桃の花は大合唱で賑やかに迎えてくれているようです。あらためまして感謝。   
  
 ところで故郷には有吉佐和子の小説の舞台となった「紀ノ川」が流れています。この紀ノ川は、多摩川、隅田川、セーヌ川、ナイル川、アマゾン川に比べても、信濃川、長良川、石狩川、あの四万十川に比べても濁りの無い川なのです、ホント! 紀ノ川は「きのかわ」って「かわ」に濁った濁点がないでしょ、なんてね。

 


◇タナカミノルさん・・・       イラストタイトル「太陽が青かったら、、、涼しいのにね」
1952年和歌山生れ、マンガイラストレーター。
和歌山県文化奨励賞、日本漫画家協会優秀賞、イタリア・アンコーナマンガ展銀賞。 その他内外の漫画展参加、受賞多数。「2005年4月にトルコ・アンカラで漫画個展(招待企画展)。 ユーモアイラストギャラリー http://www.h7.dion.ne.jp/ ̄ta-na-ka
「9月21日から27日までスペイン・レイダ市の国際ユーモアビエンナーレに招待参加、出席して来ます」

 


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