「冬に想う」               Fumi   

 私は道産子。25年前から北陸の城下町、金沢に住んでいる。金沢も雪国といわれているが、北海道とは気温、雪質、そして当然のことながら家並みも住む人の気質もまるで違う。金沢に雪が降る頃、故郷の冬がとても懐かしく思われる。 

 北海道の冬について私の想いを語ると、住んでいる image人に怒られるに違いない。「北の冬を美化するのは、あかあかとストーブが燃える暖かい部屋にいて言えることだ。吹雪の中、頭を下げて必死に歩いている人、働いている人を覚えているか」と。離れていても雪と共存することのつらさを忘れたわけではない。ただ、もっと大きな魅力が北の大地にはあると思っている。それは、私の心の一部となって、雪の塊のように残っている。札幌出身の作家、渡辺淳一氏の『ものの見かた感じかた』に――北海道にいる時は、何度雪を憎んだかしれない。だが北国を離れてみると一番憎んだはずの雪が最も私を惹きつける――とあった。それを読んだ時、私はとび上がる程うれしく、「同感!!」と叫んでしまった。 

 しんしんと音もなく降る雪は、まるで天女が舞い降りてくるような気高さが感じられて大好きだった。いつの間にか雪は辺り一面をまっ白にしてしまう。人恋しい気持ちになるのはこんな時だ。シチューを皆でワイワイ食べるCMは、こんな気分にピッタリ。雪の中を寄りそって歩きたくなるのもそんな気分なのかもしれない。 

 数年前の冬、娘と釧路、根室、網走に行った時だった。一面雪に包まれた大地は、静かにエネルギーを貯えているかのように息づいていた。厳しい自然にさからおうとしない強い意志。それは、自然と一体となって春を待つ力になるのだろう。長い冬が終わる頃、土のにおいが恋しかった。子供の時、2メートルの雪を掘って土を見たいと思った。土は凍っていてにおいもしなかった。まだ春ではなかったのだ。雪の下でじっと待って迎える春。思い出す時、私の心は道産子。北の大地に立ってるようなうれしい、元気な気分になる。 

 私の北海道への想いが伝わったのか、息子は学生として札幌へ行き、すっかり道民気分。娘は一人立できるようになったら北海道に住みたいとか。

 何年後か後には、家族そろって北海道でクリームシチューを食べているかもしれない。


Fumiさん・・・
1949.3.27生れ。B型 おひつじ座

 

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